2021新巻ワイン(デラウェア)の紹介

2021年10月1日より、デラウェア種で造った2021年の新巻ワインを販売しています。今年のヴィンテージの特徴とワインの魅力について書いていきたいと思います。

新巻ワインについて

2021新巻ワイン②

新巻ワインに使用するデラウェアは全て自社畑で自社栽培したものだけを使っています。自社畑は山梨県笛吹市一宮町の新巻地区内に位置しています。デラウェアは全て醸造のために栽培しており、種有り栽培を行うため味わい深いぶどうに仕上がります。ワインとしてはデラウェアのしっかりとした酸を生かし、辛口の爽やかなワインに醸造しています。

デラウェアでワイン!?

世界で白ワインと言えばシャルドネやリースリング、ソーヴィニヨンブランなどが有名です。しかし、現在ではもともとその土地に自生する品種、「土着品種」を使ったワインなどにも注目が集まっています。昔から日本ではデラウェアを種無し栽培し、食用ブドウとして親しまれてきました。同じくワインとしても醸造されてきたのですが、観光向けワインというイメージや、デラウェア特有の甘やかな香りから甘口に仕上げられることも多いイメージがあるかと思います。ワインとして現在でもなかなか認知されていない印象もあります。

弊社ではデラウェアを辛口白ワインとして造っています。酸の豊富なデラウェアはドライにし過ぎると飲みにくくなるため、ほんの少しだけ糖分を残しています。それにより心地よい酸を感じられるバランスの良いワインに仕上がります。ドイツワインでもトロッケン(辛口)に若干甘さを残すことが見られます。酸の豊富なリースリングには少し甘さがあった方がバランスが取れていることが多いように思います。ときどき新巻ワインはドイツワインのようだと表現されることもあります。

2021年というヴィンテージ

デラウェア ぶどう

2021年は春先から暖かい気候が続き、異例の早さで「ほう芽」がスタートしました。普段より2週間は早かったと記憶しています。このまま早い生育が続くかと思われましたが、開花前は例年より低温で推移し開花までに時間を要しました。梅雨に入ると連続降雨日が長い期間が続きました。これにより、山梨県では晩腐病の感染リスクが高まり、病気の対策に追われました。早い梅雨明けを迎えると、その後は猛暑日続きです。デラウェアのような収穫の早い品種のブドウは成熟が一気に進み、収穫も1週間ほど前倒しとなりました。8月に入ると今度は雨の多い日が続き、収穫日の選択に悩まされました。しかし、幸い7月の猛暑のおかげで熟度の高いデラウェアを収穫することができました。収穫量も多く、十分な量のワインを造ることができました。もちろん普段から楽しんでもらえる一升瓶サイズもたくさん瓶詰めを行いました。

2021年の新巻ワインの特徴

2021新巻ワイン③

色調は透き通った美しい淡いイエローグリーンを呈しています。香りにはホワイトムスクやラムネ、レモンなどの柑橘香、そしてデラウェアらしい白ブドウの香りがあります。今年はデラウェアらしい香りは穏やかで、ムスクや柑橘香が強めに感じられます。味わいは口中に香りが広がり、心地よい酸には食欲を掻き立てます。飲み口は良いのですが、スッキリしすぎず、スーッと味わいが伸びていきます。

一緒に楽しみたい料理

デラウェアワインに合う料理を聞かれたら、私は魚介類、特に貝類をお勧めしています。生のカキやアワビに合わせて臭みが感じられなかったこともありました。通常、ワインに含まれる亜鉛のせいで、生の魚介は臭みが助長されてしまいます。デラウェアワインには不思議とそれが起こりません。もっとも、全ての魚介類と試していないので、もっと検証が必要ですが・・・・・・。デラウェアのキリっとした酸を感じると、ついついボンゴレやアサリの酒蒸しを求めてしまいます。これからの時期は一升瓶を常備してお鍋のお供にするのもおすすめです。

2 thoughts on “2021新巻ワイン(デラウェア)の紹介

  1. 石原克紀 より:

    ラベルにデラウェア種とあるのを見て甘口かと思ったら、ぶどう乗った甘い香りが微かに感じられるものの、スッキリとした中にもコクのある辛口でした。病みつきになって成城石井で4回購入しました。

    1. 中村新巻 より:

      嬉しいお言葉ありがとうございます。デラウェアではありますが、ぶどうは全て自社で種あり栽培しています。甘い香りはありますが多くの料理に合わせることができると思っています。夏はキンキンに冷やして飲むのもお勧めです。

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